2010年12月3日(金) ifc.5 ~三位一体~
昨日は歴史小説で大学時代を思い出してしまったので、もう少しだけ関連したお話を。
西洋人は3という数字が好きで、父と子と聖霊の三位一体をはじめ、真・善・美や智・情・意など、西洋文化の考察には3が手掛かりになることが多いと、大学時代に西洋美術の教授がおっしゃっていました。その教授は美術史の講義の中で、フランス革命前後に活躍した3人のフランスを代表する画家を、ダヴィッド=意、アングル=智、ドラクロワ=情と簡潔明瞭に説明しましたが、なるほどよくその画の特徴と画家の性質を表した実に上手い表現だなと私は秘かに感動し、単なる一般教養の講義であったにも関わらず、今でもその講義の内容をよく憶えています。
ここからは私のイマジネーションの世界ですが、これを同時代の西洋音楽で考えれば、ドイツを代表する3人の作曲家は、ベートーヴェン=意、ブラームス=智、ワーグナー=情といったところかなと。さらにイメージは膨らみ西洋文化の枠を超え、私の好きな日本を代表する3人の歴史小説家は、吉川英治=意、司馬遼太郎=智、池波正太郎=情といったところかなぁと。
文化・芸術は人それぞれ受けとめ方や感じ方が異なり、だからこそ多様性の文化が生まれるわけですが、このような遊びを通じて他人と共感できたときは、その人がとても身近に感じられて何だか嬉しいものです。